危険物輸送容器について
UN規格容器とは
危険物・劇毒物を船舶で輸送および貯蔵する場合、「危険物船舶運送及び貯蔵規則」に従って、(財)日本舶用品検定協会により行われるUN準拠指定検査(落下・耐衝撃性・材料性能等)に合格し、安全輸送を約束する品質保証マーク「UNマーク」が付けられた容器に入れなければいけません。この「UNマーク」の付いた容器のことをUN規格容器と言い、「UNマーク」を表示した容器でないと、原則として海上輸送(輸出入及び国内輸送)は出来ません。なお、「UNマーク」を表示した危険物容器は国際的に認められており、取得規格品は海上輸送の規格ですが、この容器に収納した危険物の輸送は世界の船舶だけでなく、陸送、空輸、保管等幅広い分野で使用できる、耐衝撃性・耐薬品性に信頼がおける商品です。
ダイカンのUN規格容器
全ての商品でUN対応可能。以下の検査試験基準をクリアしたものをUNドラムとして扱います。
1. 落下試験
(1).落下高さ
① 固体及び液体を収納する容器に対し、運送される物質又はこれと同等の物理的性状を持つ代替物質を充てんして試験を行う場合
容器等級 | I | II | III |
落下高さ | 1.8m | 1.2m | 0.8m |
② 液体を収納する容器に対し、代替物質として水を用いる場合。
(a)運送される物質の比重が1.2以下の場合
容器等級 | I | II | III |
落下高さ | 1.8m | 1.2m | 0.8m |
(b)運送される物質の比重が1.2を超える場合
容器等級 | I | II | III |
落下高さ | 比重1.5m | 比重1.0m | 比重0.67m |
(2).落下方法
第1回・天板を下にして胴体溶接部に最も近いチャイムを衝撃とする対角落下
第2回・胴体溶接部を衝撃点とする水平落下
(3).合否判定
① 液体:内圧と外圧が平衝に達した後、漏れがないこと。
② 固体:天蓋が変形により漏れ防止の機能を果たさなくても、内容物のすべてが残っていれば合格とする。
2. 気密試験
(1).液体を収納するすべての容器は気密試験を行う。ただし、組合せ容器の内装容器はこの限りでない。
(2).試験方法:容器の内部に空気圧力をかけた状態で口栓ごと容器を水中に浸して行う。
保持時間は5分間とする。
(3).合否判定:漏れがないこと
容器等級 | I | II | III |
適用圧力 | 30kPa 以上 | 20kPa 以上 | 20kPa 以上 |
3. 水圧試験
(1).液体を収納するすべての金属容器及び複合容器は、水圧試験を行わなければならない。
容器等級 | I | II | III |
適用圧力 | 250kPa | 100kPa | 100kPa |
(2).容器等級がⅠの危険物を収納する容器にあっては250kPaとする。
但し、Ⅱ,Ⅲの危険物については蒸気圧及び空気又は不活性ガスの分圧により異なるが最大100kPa。
保持時間は5分間とする。
(3).合否判定:漏れがないこと
4. 積み重ね試験
(1).袋以外のすべての容器は積み重ね試験を行う。
(2).試験方法
① 試験荷重は次の算式による
W =(3-h)/ h × G
W:容器荷重を kg で表した数値
h:容器高さを m で表した数値
G:容器に収納する危険物の総重量を kg で表した数値
② 荷重の負荷時間:24時間
(3).合否判定
① 漏れがないこと
② 運送の安全性に影響を及ぼすおそれのある変質、積み重ねの安全性を損なうおそれのある変形がないこと。
<参考>当社UN検査試験条件
クローズ缶
缶種 | M | LM | L | SL |
容器記号 | × | × | × | × |
比重 | 1.7 | 1.7 | 1.0 | 1.4 |
落下高さ | 2.6m | 2.6m | 1.8m | 2.1m |
気密 | 30kPa | 30kPa | 30kPa | 30kPa |
内圧 | 300kPa | 300kPa | 300kPa | 250kPa |
荷重 | 1,000kg | 1,000kg | 660kg | 760kg |
オープン缶
缶種 | M | L |
容器記号 | Y | Y |
総質量 | 275kg | 275kg |
落下高さ | 1.2m | 1.2m |
荷重 | 670kg | 670kg |